アジアの物品貿易は宇露紛争にもかかわらず成長が見込まれる
アジア開発銀行(ADB)は4月11日、最新の「アジア地域統合アップデート」において、2024年のアジア地域の物品貿易が前年比4.8%増と予測している。これは地域内の需要拡大と中国経済の回復が主な要因だという。
ただし、報告書は「ロシアのウクライナ侵攻を巡る地政学的緊張の高まりと、一部の経済における金融引き締めの影響が懸念材料」と指摘している。
ADBは、高まるリスクに対処するため、アジア諸国が「デジタル化とグリーン化」を通じた生産性向上に取り組む必要があると提言した。特にサービス貿易については、デジタル技術の活用が重要だと述べた。
また、地域間の経済統合を一層深化させることで、リスクを軽減できると分析した。自由貿易協定の拡大や、アジア域内の価値連鎖の強靭化が有効な手段となるという。
ADBのアルベルト・ブルゲスChief Economistは「アジア各国は構造改革に取り組み、競争力を高める必要がある」と述べた。特に新たな通商協定への参加が重要だと指摘した。
地域統合深化の重要性に加え、報告書は気候変動対策やデジタル分野での地域協力の拡大も提言している。
